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年賀状はどこまで減ったのか 郵便データで見る16年の縮小

年賀状はどこまで減ったのか 郵便データで見る16年の縮小

年賀状は、もう「少し減った」ではなく、かなり大きく縮んでいます。日本郵便によると、2026年元日に配達された年賀郵便物は3億63百万通でした。2010年元旦の20億85百万通と比べると、16年で約82.6%減です。

しかも減少はここ数年でさらに急です。2024年元旦は7億43百万通、2025年元旦は4億91百万通、2026年元旦は3億63百万通。2年でほぼ半分まで落ちました。年賀状の減少は長期トレンドですが、直近は下り方が一段きつくなっています。

  • 2026年元旦の年賀郵便物は3億63百万通。2010年比で約17%の水準まで縮小
  • 2024年元旦から2026年元旦の2年間で約51%減
  • 年度ベースの年賀引受物数も、2024年度は前年度比28.4%減、2025年度も27.1%減
  • 連絡手段の土台も変化しており、総務省調査では2024年8月末時点でスマートフォン保有世帯は90.5%
目次

使用データと見方

まず、この記事で見ている数字を分けておきます。年賀状は似た名前の数字が並ぶので、ここを混ぜると読み違えやすくなります。

  • 元旦配達物数: 1月1日に配達された年賀郵便物の速報値
  • 年度の年賀引受物数: その年度に日本郵便が引き受けた年賀郵便物の累計
  • 郵便物全体: 年賀状だけでなく、手紙や通常はがきなどを含む郵便物全体
  • 対象地域: 全国
  • 確認時点の最新値: 2026年1月1日の元旦配達物数、2025年度の引受物数(2026年5月11日公表)

元旦配達物数は「受け取り側から見た正月の実感」に近く、年度の引受物数は「日本郵便の年間取扱量」に近い数字です。両方を見ると、減り方の輪郭がつかみやすくなります。

元旦配達物数で見ると、減少幅はかなり大きい

長めの時間軸で並べると、変化の大きさがはっきりします。

元旦配達物数 前年との比較 見ておきたい点
2010年 20億85百万通 99.5% まだ20億通台を維持していた時期
2024年 7億43百万通 84.2% 1人当たり約6通
2025年 4億91百万通 66.0% 1人当たり約4通
2026年 3億63百万通 74.0% 1人当たり約3通

2010年から2026年までの減少だけでも十分大きいのですが、直近2年の落ち込みが目立ちます。

  • 2024年から2025年は約33.9%減
  • 2025年から2026年は約26.1%減
  • 2024年から2026年の2年間では約51.1%減

2026年元旦の支社別データを見ても、全国で一様に減っています。東京支社でも前年の80.0%、北海道支社は70.0%で、都市部だけの変化ではありません

ここがポイント: 年賀状の減少は長年続いてきましたが、2024年から2026年にかけては「じわじわ」ではなく、短期間で通数が大きく削られる局面に入っています。

年度の引受物数でも、2年続けて大幅減だった

元旦配達物数だけでなく、年度累計の年賀引受物数でも同じ傾向が出ています。

  • 2023年度: 9億7,048万6千通
  • 2024年度: 6億9,529万3千通(前年度比28.4%減)
  • 2025年度: 5億710万通(前年度比27.1%減)

この並びを見ると、2024年度だけが特別だったというより、2024年度と2025年度の2年連続で大きく縮んだと見るほうが実態に近いです。

一方で、郵便物全体も減っています。日本郵便の公表では、郵便物全体は2024年度の125億6,607万通から2025年度は117億5,103万通へ、前年度比6.5%減でした。

ここで重要なのは、年賀状の落ち込みは郵便全体よりかなり急だという点です。郵便全体が減っている中でも、年賀状は特に強く縮小していることが分かります。

連絡手段はどう変わったのか

「年賀状が減ったのはSNSのせいだ」と単純には言い切れません。ただ、連絡の基盤がデジタル側に大きく移っているのは確かです。

総務省の2024年通信利用動向調査では、2024年8月末時点でスマートフォンを保有する世帯は90.5%でした。さらに、インターネット利用目的ではSNS(無料通話機能を含む)の利用が81.9%で最多とされています。

この数字が意味するのは、近況報告や年始のあいさつを届ける手段が、紙のはがき以外にも広く行き渡っていることです。連絡の即時性、写真の送りやすさ、返信のしやすさを考えると、短いあいさつほどデジタルに置き換わりやすい条件がそろっています。

ただし、ここで注意も必要です。

  • 年賀状1通が、そのままSNSメッセージ1件に置き換わったとは言えない
  • 仕事関係の慣行見直しや、企業の年賀状取りやめも通数を押し下げうる
  • 高齢化や人口減少の影響も、長期では無視できない

つまり、デジタル化は大きな背景の一つですが、減少要因は一つではありません。

直近の落ち込みを読むうえで外せない注意点

特に2025年、2026年の数字を読むときは、料金改定を外せません。日本郵便は2024年10月1日から通常はがき料金を63円から85円へ改定しました。

このため、直近の年賀状減少には、長期的なデジタル移行だけでなく、価格上昇による差し控えも重なっています。2024年度と2025年度の急減をそのまま「習慣の自然減だけ」と読むのは無理があります。

あわせて、数字の定義差にも注意が必要です。

  • 元旦配達物数は「配達された数」の速報値
  • 年度引受物数は「引き受けた数」の累計
  • 年度データには選挙郵便物など別区分もある
  • 月次データでは年賀引受物数を含まない期間がある

同じ「年賀状の数」でも、どの統計を見ているかで意味が少し変わります。

これから見るなら、通数そのものより減り方

今後の注目点は、年賀状が増えるかどうかより、どの程度の速度で減り続けるかです。

  • 料金改定後の反動減が2026年度にどこまで続くか
  • 年賀状だけが縮むのか、通常はがきや手紙も同じ速度で減るのか
  • デジタル化の定着で、年始あいさつ自体が「一斉送信型」にさらに移るのか

年賀状は、すでに生活の中心的な連絡手段ではなくなりつつあります。次に見るべきなのは「残るか消えるか」より、どの場面では紙が残り、どの場面では完全にデジタルへ置き換わるのかです。

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