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子どもの習い事・教育費は本当に増えたのか 家計調査で見る2025年の変化

子どもの習い事・教育費は本当に増えたのか 家計調査で見る2025年の変化

結論から言うと、家計調査で見える「子どもの教育支出」は2025年に増えました。 ただし、増え方の中心は授業料で、塾などの「補習教育」は同じ年に減っています。

つまり、「習い事にかける費用が一律に増えた」とまでは言えません。学校にかかる支出、塾代、音楽やスポーツの月謝は家計調査の中でも別の箱に入っており、どこを見るかで見え方が変わります。

  • 2025年の二人以上の世帯の「教育」支出は 月11,939円、前年より実質6.8%増
  • ただし内訳では、授業料等は増加補習教育と教科書・学習参考教材は減少
  • 年齢別にみると、教育関係費が重いのは40歳代と50歳代
  • 50歳代では、大学進学に伴う仕送り金が家計を押し上げやすい
目次

使ったデータと見方

今回使う主なデータは、総務省統計局の家計調査です。中心にしたのは次の2つです。

  • 2025年平均の家計調査報告
  • 「家計簿からみたファミリーライフ」の2024年データ

比較条件は次の通りです。

  • 対象世帯: 全国の二人以上の世帯
  • 最新年: 2025年平均
  • 年齢別の教育関係費: 2024年の年間支出
  • 単位: 2025年平均は主に1世帯当たり1か月平均、年齢別は年間支出

ここで重要なのは、家計調査の「教育」がそのまま「習い事全体」ではないことです。

  • 「教育」には授業料、教科書・学習参考教材、補習教育が入る
  • 塾や家庭教師は主に補習教育に入る
  • 音楽やスポーツ、語学などの月謝は、主に教養娯楽サービスの月謝類に入る

この分類の違いを押さえないと、「教育費が増えたのに習い事は減ったのか」という一見わかりにくい動きが起きます。

2025年に何が増えて、何が減ったのか

まず最新の2025年平均です。二人以上の世帯の消費支出は月31万4,001円でした。このうち「教育」は月11,939円で、前年より名目2.0%増、実質6.8%増でした。

教育費が増えた理由として、総務省の年平均結果では「授業料等」が実質増加と明記されています。一方で、同じ教育の中でも次の項目は減っています。

  • 補習教育
  • 教科書・学習参考教材

ここが今回のいちばん大事な点です。2025年は教育費全体が増えた年ですが、塾代まで一緒に増えたとは確認できません。 少なくとも家計調査の年平均結果では、補習教育は前年より弱かったと読めます。

ここがポイント: 2025年の家計調査では、子どもの教育支出は増えた。ただし増えた中心は授業料で、塾などの補習教育は同じ動きではなかった。

教育費が重くなるのはどの年代か

次に、どの世帯で負担が重いのかを見ます。総務省統計局の「家計簿からみたファミリーライフ」によると、2024年の教育関係費は40歳代と50歳代で大きくなっています。

  • 30歳代: 13万6,938円
  • 40歳代: 45万6,432円
  • 50歳代: 53万6,251円
  • 60歳代: 8万3,061円

50歳代は30歳代の約3.9倍です。家計の中で教育費が急に重くなる時期があることが、数字で見えます。

40歳代は塾・学校関連の比重が高い

総務省の解説では、40歳代の世帯は中学・高校在学の子どもがいる割合が高く、補習教育に加えて、学校給食、文房具、通学用品などを含む「その他の教育関係費」が多いとされています。

この年代では、家計の現場で効くのは次のような支出です。

  • 学習塾や家庭教師
  • 学習参考書
  • 学校給食
  • 文房具
  • 通学かばんや通学定期

「授業料」だけでなく、学校の周辺コストまで膨らみやすい段階だと分かります。

50歳代は大学進学と仕送りが効く

50歳代では、子どもが親元を離れて大学へ進む世帯が増え、仕送り金が大きくなります。総務省の解説では、50歳代の子どもへの仕送り金は40歳代の2.4倍です。

このため、50歳代の教育負担は「塾代の延長」ではありません。むしろ、

  • 大学の授業料 n- 仕送り
  • 親元外通学に伴う生活費

といった、別の重さに変わっていきます。

「習い事の費用は増えたのか」への答え

ここまでを踏まえると、答えは1つではありません。

学校・受験寄りの教育費で見るなら

増えています。 2025年平均では教育支出全体が実質6.8%増で、授業料等が押し上げ要因でした。

塾代で見るなら

一律に増えたとは言えません。 家計調査の年平均結果では、補習教育は減少しています。

音楽・スポーツ・語学なども含めた「習い事全体」で見るなら

家計調査の公表表だけでは、ひとまとめに断定しにくいです。これらは教育費ではなく、教養娯楽サービスの月謝類に分かれて計上されるためです。

つまり、日常会話でいう「習い事」は、統計の上では複数の箱に分かれています。そこを混ぜると、実感と統計がずれやすくなります。

何が読み取れて、何は言い切れないか

このデータから読み取れることははっきりしています。

  • 2025年は、二人以上の世帯の教育支出が増えた
  • 増加の中心は授業料等だった
  • 教育負担が重いのは40歳代と50歳代だった
  • 50歳代では大学進学や仕送りの影響が大きい

一方で、言い切れないこともあります。

  • これだけで「すべての家庭で習い事負担が増えた」とは言えない
  • 子どものいる世帯だけの平均ではないため、子育て世帯の実額とはずれる
  • 音楽、スポーツ、語学などを含む広い意味の習い事は、教育費と別分類が混ざる

注意点

解釈するときは、次の点に注意が必要です。

  • 家計調査の平均は子どものいない世帯も含む。そのため、子育て世帯の実感より低く出やすい
  • 2025年1月から収支項目分類が改定されている。細かな内訳の長期比較は慎重に見る必要がある
  • 総務省は、2018年の家計簿改正をまたぐ時系列比較にも注意を促している
  • 年齢階級別の教育関係費は2024年、最新の年平均結果は2025年で、対象年が一致していない

生活者目線で見ると何が重要か

家計の負担感を考えるときは、「教育費が増えたか」だけでは足りません。見るべきなのは、どの年齢で、どの種類の支出が膨らむかです。

  • 小中高の時期は、塾や学校周辺費用が効きやすい
  • 大学期は、授業料と仕送りが家計を押し上げやすい
  • 家庭の実感に近い「習い事」は、教育費だけでなく月謝類まで広げて見る必要がある

次に見るべきなのは、2026年以降の家計調査で補習教育が戻るのか、それとも授業料中心の上昇が続くのかです。教育費の増加といっても、中身が違えば家計の打撃も変わります。

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