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結婚する人はどれだけ減ったのか 婚姻件数の長期減少と初婚年齢の上昇をデータで見る

結婚する人はどれだけ減ったのか 婚姻件数の長期減少と初婚年齢の上昇をデータで見る

日本の婚姻件数は、2024年に48万5063組でした。2023年よりは1万322組増えましたが、長い目で見ると減少幅は大きく、1972年の109万9984組と比べると55.9%減です。

一方で、結婚する年齢は上がりました。2024年の平均初婚年齢は夫31.1歳、妻29.8歳です。件数は大きく減ったのに、初婚年齢は上がっている。この2つを並べて見ると、日本の結婚の変化はかなりはっきり見えてきます。

  • 2024年の婚姻件数は48万5063組で、1972年ピークの半分以下
  • 2000年比でも婚姻件数は39.2%減
  • 平均初婚年齢は2000年の夫28.8歳・妻27.0歳から上昇
  • 2024年は件数がやや持ち直したが、長期の減少傾向が反転したとはまだ言いにくい
目次

使用データと比較条件

今回使うのは、厚生労働省の「人口動態統計」です。婚姻件数は2024年の確定数を基準にし、長期比較には厚生労働省の年次推移表を使います。初婚年齢は、同統計の「平均初婚年齢」を見ます。

比較条件は次の通りです。

  • 対象地域: 全国
  • 最新年: 2024年
  • 主な指標: 婚姻件数、平均初婚年齢
  • 長期比較: 1972年、2000年、2023年、2024年

ここがポイント: 婚姻件数は「何組が結婚したか」、平均初婚年齢は「結婚した人が何歳だったか」を示す指標です。件数の減少と年齢の上昇は、同じ現象を別の角度から見ています。

婚姻件数はどこまで減ったのか

まず結論から言うと、減少はかなり大きいです。

2024年の婚姻件数は48万5063組でした。前年の47万4741組からは増えていますが、1972年の109万9984組と比べると61万4921組少なく、半分以下の水準です。

主な比較を並べると、差が見えやすくなります。

  • 1972年: 109万9984組
  • 2000年: 79万8138組
  • 2023年: 47万4741組
  • 2024年: 48万5063組

この数字から計算すると、

  • 1972年から2024年: 55.9%減
  • 2000年から2024年: 39.2%減
  • 2023年から2024年: 2.2%増

2024年は増加年ですが、長期推移で見ると小さな反発にとどまります。件数の山は1970年代前半にあり、その後は増減を挟みつつ低下してきました。直近1年だけを見て「結婚が増えた」と言い切るより、減少トレンドの中の一時的な持ち直しとして見るほうが実態に近いです。

初婚年齢はどう変わったのか

件数が減る一方で、初婚年齢は上がっています。

2024年の平均初婚年齢は、

  • 夫: 31.1歳
  • 妻: 29.8歳

でした。

2000年は夫28.8歳、妻27.0歳なので、24年間で

  • 夫は2.3歳上昇
  • 妻は2.8歳上昇

しています。妻の上昇幅のほうが大きく、30歳にかなり近づきました。

ここで重要なのは、平均年齢が上がったからといって、単純に「結婚のピーク年齢がそのまま後ろへずれた」だけではないことです。厚生労働省の2024年確定数では、初婚の妻の年齢構成のピークは20年前も2024年も26歳ですが、若い年齢の割合が下がり、より高い年齢の割合が増えているとされています。

つまり、中心が少し動いたというより、分布全体が上側へ広がっている形です。20代前半の結婚が減り、30代の初婚が以前より珍しくなくなった、と読むと分かりやすいです。

件数減少と年齢上昇をどう読むか

この2つを並べると、見えてくるのは次の点です。

  • 若い年齢での結婚が減っている
  • 初婚は30歳前後が中心になっている
  • 結婚そのものの件数も縮んでいる

ただし、この統計だけで「なぜそうなったか」までは断定できません。雇用、所得、進学率、都市部への人口集中、同居や出産の意識変化などは関係しうる要素ですが、人口動態統計だけでは因果関係までは示せません。

地域差もある

全国平均だけでは見えにくい差もあります。

2024年の平均初婚年齢を都道府県別に見ると、最も高いのは夫妻とも東京都でした。夫32.2歳、妻30.7歳です。反対に、最も低いのは夫が山口県・佐賀県の30.1歳、妻が福井県・香川県の28.9歳でした。

この差は1歳前後ですが、婚姻年齢の全国平均がすでに30歳前後まで上がっている中では無視できません。都市部ほど初婚年齢が高く出やすい傾向があり、全国値だけで地域の実感を代表させるとズレが出ます。

データから言えること、言えないこと

ここは分けて見たほうが誤読しにくくなります。

言えること

  • 婚姻件数は長期で大きく減っている
  • 2024年は前年比で増えたが、1970年代や2000年と比べるとかなり低い
  • 平均初婚年齢は上昇している
  • 若年層の結婚割合が下がり、高めの年齢層へ分布が広がっている

このデータだけでは言えないこと

  • 結婚が減った主因が何か
  • 結婚年齢の上昇が特定の政策や景気だけで起きたか
  • 今後すぐ反転するか、このまま減るか

婚姻件数は結果を示す統計です。背景を読み解くには、賃金、雇用、住宅費、出生数、未婚率、地域移動など別のデータも重ねる必要があります。

読むときの注意点

このテーマは数字だけ追うと単純化しやすいので、注意点も押さえておきたいところです。

  • 婚姻件数は「人」ではなく「組」の数
  • 平均初婚年齢は、初めて結婚した人の平均であり、未婚者全体の平均年齢ではない
  • 2024年の婚姻件数は前年比で増えたが、1年の増減だけで長期傾向は判断しにくい
  • 人口動態統計は届出に基づくため、他の未婚率や人口推計と見るときは定義の違いに注意が必要

とくに「結婚する人は増えたのか減ったのか」を考えるときは、婚姻件数だけでなく、結婚年齢の上昇と未婚人口の厚みをあわせて見るほうが実態に近づきます。

これから見るべきポイント

2024年は婚姻件数が2年ぶりに増えました。ただ、件数はまだ48万組台で、長期低下の流れを変えるほどの戻りではありません。

次に注目したいのは次の3点です。

  • 2025年以降も48万組台を維持できるか
  • 初婚年齢が31歳前後、29歳台後半でさらに上がるのか
  • 都市部と地方の婚姻年齢差が広がるのか

婚姻件数の減少は、単に「結婚しない人が増えた」という一言では片づきません。結婚する組数が減り、結婚する年齢は上がった。まずはこの事実を押さえることが、次の分析の出発点になります。

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