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共働き世帯は1300万世帯へ 2024年統計で見る夫婦の働き方の変化

共働き世帯は1300万世帯へ 2024年統計で見る夫婦の働き方の変化

共働き世帯は、もう「少しずつ増えている」段階ではありません。総務省の労働力調査を基にした2024年平均結果では、夫婦ともに非農林業の雇用者である世帯は1300万世帯に達し、夫が雇用者で妻が非就業のいわゆる専業主婦世帯は508万世帯でした。

1980年には専業主婦世帯のほうが多かったのに、今は逆です。しかも増えているのは「妻も働く世帯」だけではなく、夫婦ともに週35時間以上働く組み合わせもはっきり増えています。

  • 2024年の共働き世帯は1300万世帯、専業主婦世帯は508万世帯
  • 1980年は共働き614万世帯、専業主婦1114万世帯で立場が逆だった
  • 分岐点は1997年で、ここから共働き世帯が専業主婦世帯を上回って推移
  • 2024年は「夫も妻も週35時間以上」の世帯が496万世帯まで増えている
目次

使用データと比較条件

まず、どの数字を見ているかをはっきりさせます。

今回の中心データは、総務省統計局「労働力調査(詳細集計)」の年平均結果を、JILPTが整理した公表資料です。対象は全国で、年次は主に1980年から2024年。ここでいう「共働き世帯」は、夫婦ともに非農林業雇用者の世帯です。

比較している相手の「専業主婦世帯」は、夫が非農林業雇用者で、妻が非就業者の世帯です。自営業どうしの夫婦などは、この集計には入りません。

ここがポイント: 「共働きが増えた」という話はよく聞きますが、統計上は“誰を共働きに含めるか”で数字が変わります。この記事では、まず労働力調査の定義に絞って見ています。

どこまで増えたのか

結論を数字で並べると、変化の大きさが見えます。

  • 1980年: 共働き614万世帯、専業主婦1114万世帯
  • 1997年: 共働き949万世帯、専業主婦921万世帯
  • 2024年: 共働き1300万世帯、専業主婦508万世帯

1980年から2024年までで見ると、共働き世帯は686万世帯増えました。1980年比でみると約2.1倍です。

一方、専業主婦世帯は606万世帯減りました。2024年の共働き世帯は、専業主婦世帯の約2.6倍です。

ここで重要なのは、単に「共働きが多数派になった」だけではないことです。1997年に逆転してから、その差は年を追って広がっています。2024年時点では、差は792万世帯まで開きました。

増えたのはどんな共働き世帯か

共働きといっても、中身は一つではありません。2024年の1300万世帯を夫婦の就業時間で見ると、最も多いのは次の組み合わせです。

  • 夫が週35時間以上、妻が週1〜34時間: 536万世帯
  • 夫婦とも週35時間以上: 496万世帯
  • 夫婦とも週1〜34時間: 132万世帯
  • 夫が週1〜34時間、妻が週35時間以上: 46万世帯

まだ最も多いのは、夫が長時間、妻が比較的短時間働く形です。ただし、見逃せないのは次の点です。

夫婦ともフルタイムに近い世帯が増えている

2014年と比べると、夫婦とも週35時間以上の世帯は392万世帯から496万世帯へ104万世帯増えました。共働き世帯に占める割合も36.2%から38.2%へ上がっています。

これは、共働きの拡大が「妻の短時間就業だけで膨らんだ」とは言い切れないことを示します。夫婦ともに一定の就業時間を持つ世帯も、はっきり増えています。

子どものいる世帯が中心

2024年の共働き世帯1300万のうち、最も多い家族類型は夫婦と子どもから成る世帯の796万世帯でした。全体の約6割です。

次いで多いのは、夫婦のみの403万世帯です。つまり共働きの増加は、子育て世帯に限らない一方で、家計や保育、通勤、家事分担に直結する層が大きいことも数字から分かります。

この数字から言えること、言えないこと

統計から読める事実と、そこから先の解釈は分けておきたいところです。

言えること

  • 夫婦のいる雇用者世帯では、共働きが標準的な形になった
  • 共働きの中でも、夫婦とも長めに働く世帯が増えている
  • 若い世代のライフコース意識でも、内閣府の白書では「両立コース」が「再就職コース」を上回る流れが示されている

この数字だけでは言えないこと

  • 共働きが増えた理由を、物価上昇や賃金だけに直結して断定すること
  • 1300万世帯すべてが、夫婦で同じ収入水準だとみなすこと
  • 共働きの増加が、そのまま家事や育児の分担の平等化を意味すると考えること

世帯数は「働いているか」を示しますが、年収、勤務先の安定性、在宅勤務の有無、家事負担までは直接示しません。ここは別の統計や調査が必要です。

地域差を見るなら、どの統計を使うべきか

このテーマで「都道府県別に見たい」と思ったとき、すぐに使えるのは労働力調査ではありません。年平均の詳細集計は、今回の見方では全国値が中心です。

都道府県別に追うなら、e-Statの2020年国勢調査にある「夫婦の就業・非就業別一般世帯数」の時系列表が使えます。こちらは全国と都道府県の比較ができます。

ただし、ここでも注意があります。

  • 国勢調査は5年ごとで、最新でも夫婦の就業状態の細かな地域比較は2020年時点
  • 労働力調査は月末1週間の就業状態をみる調査
  • 就業構造基本調査はふだんの就業状態をみる調査

同じ「共働き」でも、調査ごとに定義や観測時点が違います。全国の最新トレンドを見るなら労働力調査、都道府県差を見るなら国勢調査、と使い分けるのが無理のない見方です。

読み解きで気をつけたい点

内閣府の男女共同参画白書では、妻が64歳以下の世帯に絞った別系列も使われます。こちらでは2024年時点で、共働き世帯が専業主婦世帯の3倍以上という表現が出てきます。

この数字は、この記事で見てきた1300万世帯・508万世帯とそのまま横並びにできません。年齢条件が違うからです。

同じテーマの記事でも、次の違いで見え方が変わります。

  • 妻の年齢条件を付けるかどうか
  • 雇用者に限るか、自営業を含めるか
  • 就業時間で区切るかどうか
  • 全国値を見るか、都道府県値を見るか

数字の差だけでなく、定義の差まで確認して読む必要があります。

次に見るべきポイント

共働き世帯の増加は、もう説明不要の大きな流れです。次に見るべきなのは、その中身です。

  • 夫婦とも週35時間以上の世帯が、さらに増えるのか
  • 子どものいる共働き世帯で、働き方の組み合わせがどう変わるのか
  • 都道府県別に見たとき、共働きが多い地域と少ない地域で差が開くのか
  • 家計調査など別統計で、共働き世帯の支出や負担がどう変わっているのか

「共働きが増えた」で話を終える段階は、もう過ぎています。これからは、どの共働きが増えているのか、その違いを数字で追うほうが実態に近づけます。

参照リンク

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