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日本の平均寿命はまだ伸びているのか 2024年の全国値と都道府県差を数字で見る

日本の平均寿命はまだ伸びているのか 2024年の全国値と都道府県差を数字で見る

日本の平均寿命は、長期では伸びてきたが、直近では横ばいに近いというのが最新データから見える結論です。厚生労働省の令和6年簡易生命表では、2024年の平均寿命は男性81.09年、女性87.13年。男性は前年と同じ、女性は0.01年下がりました。

一方で、5年ごとに公表される都道府県別生命表を見ると、2020年時点では2015年より各地で平均寿命が伸びています。ただし、地域差は消えておらず、男性も女性も最長県と最短県の差は前回より広がりました。

  • 最新の全国年次データ: 2024年は男性81.09年、女性87.13年
  • 直近の動き: 2021年、2022年に低下し、2023年に持ち直し、2024年はほぼ横ばい
  • 都道府県別の最新: 5年ごとのため最新は2020年表
  • 地域差: 2020年時点で男性3.46年差、女性1.96年差
目次

使用データと比較条件

まず、この記事で使う「平均寿命」はすべて同じ資料ではありません。見比べるときは、どの生命表かを分けて見る必要があります。

  • 全国の長期比較: 厚生労働省「第22回生命表(2015年完全生命表)」「第23回生命表(2020年完全生命表)」
  • 全国の年ごとの変化: 厚生労働省「令和2年〜令和6年簡易生命表」
  • 都道府県差: 厚生労働省「令和2年都道府県別生命表」

比較条件は次の通りです。

  • 完全生命表: 国勢調査の確定人口などを基に5年ごとに作成
  • 簡易生命表: 毎年の人口推計や人口動態統計月報年計を基に作成
  • 都道府県別生命表: 2020年国勢調査人口と、2019年から2021年の死亡数などを基に5年ごとに作成

このため、全国の2024年値と都道府県別2020年値は、同じ年の単純比較ではない点に注意が必要です。

全国では「伸び続けている」とは言いにくい

結論から言うと、全国平均は右肩上がりの一本調子ではありません。

長期では伸びている

完全生命表でみると、日本の平均寿命は2015年から2020年にかけて伸びました。

  • 2015年: 男性80.77年、女性87.01年
  • 2020年: 男性81.56年、女性87.71年
  • 2015年から2020年の増加幅: 男性+0.79年、女性+0.70年

5年単位で見ると、長寿化そのものは続いています。少なくとも2020年までは、男女とも水準を切り上げました。

ただし足元は横ばい圏

年ごとの簡易生命表で並べると、印象は少し変わります。

  • 2020年: 男性81.64年、女性87.74年
  • 2021年: 男性81.47年、女性87.57年
  • 2022年: 男性81.05年、女性87.09年
  • 2023年: 男性81.09年、女性87.14年
  • 2024年: 男性81.09年、女性87.13年

2020年に高水準を付けたあと、2021年と2022年は低下しました。2023年は持ち直しましたが、2024年は男性が横ばい、女性がわずかに低下です。

ここがポイント: 日本の平均寿命は長期では伸びてきましたが、2024年時点では「まだ毎年伸び続けている」とまでは言えません。

都道府県別ではどこが長寿なのか

都道府県別の最新は令和2年都道府県別生命表です。ここでは地域差がはっきり出ます。

上位と下位の差

区分 女性 男性
最長 岡山県 88.29年 滋賀県 82.73年
最短 青森県 86.33年 青森県 79.27年
最長と最短の差 1.96年 3.46年
全国値 87.60年 81.49年

この表で目立つのは、男性の地域差の大きさです。男性は最長県と最短県で3年半近い差があります。女性も差は2年弱あり、小さくありません。

上位・下位の顔ぶれ

2020年表では、上位と下位に次のような傾向が見えます。

  • 女性最長は岡山県、次いで滋賀県、京都府、長野県、熊本県
  • 男性最長は滋賀県、次いで長野県、奈良県、京都府、神奈川県
  • 男女とも青森県が最短
  • 女性の下位には青森県、福島県、栃木県、茨城県、岩手県
  • 男性の下位には青森県、秋田県、福島県、岩手県、沖縄県

上位県は中部から近畿にかけて多く、下位県は東北などに集まっています。都道府県差を読むときは「日本全体が長寿かどうか」だけでなく、どこで長寿化が進み、どこで遅れているかまで見ないと実態をつかみにくいと分かります。

2015年から2020年で何が変わったか

都道府県別生命表の比較では、前回の2015年表から2020年表にかけて、平均寿命は男女とも全都道府県で上昇しました。

ただし、格差は縮んでいません。

  • 女性の最長・最短差: 2015年1.74年 → 2020年1.96年
  • 男性の最長・最短差: 2015年3.11年 → 2020年3.46年

つまり、全国平均は伸びても、その伸び方は一様ではありません。平均との差を見る記事では見落としがちですが、地域差まで含めると、長寿化は「全国で同じペース」では進んでいません。

このデータから読み取れること

数字から言えることと、言い切れないことは分けておきたいところです。

言えること

  • 日本全体では2015年から2020年にかけて平均寿命が伸びた
  • 2021年、2022年に低下し、2023年に戻したが、2024年は横ばい圏だった
  • 都道府県別では2020年時点でも地域差が残っている
  • 地域差は2015年から2020年でやや広がった

すぐには言えないこと

  • ある県の食生活だけで寿命差が決まる、とは断定できない
  • 医療体制だけで差が説明できる、とは言えない
  • 2024年の全国値だけを見て、今後ずっと伸びないとまでは判断できない

平均寿命は、疾病構造、喫煙率、健診、所得、就業、交通環境、医療アクセス、高齢化の進み方など、複数の要因が重なって動く指標です。単年の上下だけで原因を一つに絞るのは無理があります。

誤読しやすいポイント

平均寿命の記事では、数字自体よりも読み方のミスが起きやすいです。

1. 「平均寿命」はその年に生まれた人の実寿命ではない

生命表の平均寿命は、その年の死亡率が今後も続くと仮定したときの0歳の平均余命です。実際に2024年生まれの人が81.09年、87.13年で亡くなると決まるわけではありません。

2. 全国値と都道府県値は同じ表ではない

2024年の全国値は簡易生命表、都道府県比較の最新は2020年都道府県別生命表です。更新年も作り方も違うため、並べて使うときは「最新年が違う」ことを明記する必要があります。

3. 都道府県別2020年表は単年データではない

都道府県別生命表は2020年国勢調査人口と2019年から2021年の死亡数などを基に作られています。2020年だけの一発集計ではないため、短期の異変より中期的な水準を見る資料です。

これからどこを見るべきか

平均寿命が再びはっきり伸びるのか、それとも横ばいが続くのかを判断するには、次の2点が重要です。

  • 2025年、2026年の簡易生命表で、2023年の持ち直しが定着するか
  • 次回の都道府県別生命表で、男女とも地域差が縮むのか広がるのか

全国平均だけを見ると、日本は依然として長寿国です。ただ、数字を細かく追うと、直近は伸びが止まり気味で、地域差も残っています。次に注目すべきなのは「日本人が長寿かどうか」より、どの地域で改善が続き、どの地域で差が残るのかです。

参照リンク

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