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喫煙率はどこまで下がったのか 国民健康・栄養調査で見る男女別・年代別の変化

喫煙率はどこまで下がったのか 国民健康・栄養調査で見る男女別・年代別の変化

日本の喫煙率は下がっています。厚生労働省の国民健康・栄養調査でみると、20歳以上で現在習慣的に喫煙している人の割合は、2013年の19.3%から2024年は14.8%まで低下しました。

ただし、下がり方は一様ではありません。男性は大きく下がった年代がある一方、2024年でも40代と50代は3割を超えています。女性は全体では低下しましたが、50代が10.0%で最も高く、年代ごとの差が残っています。

  • 20歳以上の喫煙率は2013年の19.3%から2024年の14.8%へ、11年で4.5ポイント低下
  • 男性は32.2%から24.5%へ7.7ポイント低下。女性は8.2%から6.5%へ1.7ポイント低下
  • 2024年時点で最も高いのは、男性40代の34.5%、女性50代の10.0%
  • 年代別比較は、質問定義がそろった2013年以降で見るのが安全
目次

使用データと比較条件

今回使うのは、厚生労働省の国民健康・栄養調査です。最新の公表値は、2024年調査をまとめた「令和6年国民健康・栄養調査」の結果で、2025年12月2日に公表されました。比較の起点には、同じ定義で喫煙状況を把握している2013年調査を使います。

  • 対象: 20歳以上
  • 指標: 「現在習慣的に喫煙している者」の割合
  • 定義: たばこを「毎日吸っている」または「時々吸う日がある」と回答した者
  • 比較年: 2013年と2024年
  • 集計値: 全国補正値

2013年の公表資料では、2012年以前は喫煙の定義や調査方法が異なるため、単純比較は難しいとされています。そのため、この記事の年代別比較は2013年と2024年を中心に見ます。なお、2020年と2021年の調査は中止されており、時系列には空白があります。

まず全体ではどれだけ下がったか

結論は明快です。全体では下がっています。しかも下げ幅の中心は男性です。

  • 総数: 19.3% → 14.8%(-4.5ポイント)
  • 男性: 32.2% → 24.5%(-7.7ポイント)
  • 女性: 8.2% → 6.5%(-1.7ポイント)

2024年の14.8%は、厚生労働省が「この12年間でみると、令和4年調査と並んで最も低い値」と説明している水準です。とはいえ、健康日本21(第三次)の目標値は20歳以上で12%です。下がったが、目標にはまだ届いていないという位置づけになります。

ここがポイント: 喫煙率の低下は確認できるが、その主役は男性の低下であり、年代によって残り方がかなり違う。

年代別に見ると、下がり方はかなり違う

全体平均だけでは見えないのが、年代ごとの濃淡です。特に男性は、下がった年代と高止まりしている年代がはっきり分かれます。

男性は30代の低下が大きいが、40代と50代はまだ高い

2013年と2024年を比べると、男性は多くの年代で低下しています。

  • 20代: 36.3% → 22.3%(-14.0ポイント)
  • 30代: 44.0% → 25.7%(-18.3ポイント)
  • 40代: 39.5% → 34.5%(-5.0ポイント)
  • 50代: 41.5% → 31.9%(-9.6ポイント)
  • 60代: 33.2% → 27.8%(-5.4ポイント)
  • 70歳以上: 14.5% → 14.2%(-0.3ポイント)

下げ幅が最も大きいのは30代です。2013年は4割を超えていましたが、2024年は25.7%まで下がりました。

一方で、2024年でも男性40代は34.5%、50代は31.9%です。若い世代ほど下がりやすかったことは読み取れますが、働き盛りの中年層では依然として高いという事実も残ります。

女性は全体で下がったが、50代が最も高い

女性は男性ほど大きな下げ方ではありません。ただ、若い年代では下がっています。

  • 2024年の女性全体: 6.5%
  • 2024年の20代: 6.4%
  • 2024年の30代: 6.3%
  • 2024年の40代: 9.3%
  • 2024年の50代: 10.0%
  • 2024年の60代: 8.7%
  • 2024年の70歳以上: 2.7%

2013年の女性は、20代から50代までおおむね11.8%から12.7%の範囲に集まっていました。2024年は20代と30代が6%台まで下がった一方、50代は10.0%でまだ高めです。

ここで注意したいのは、年代別の変化をそのまま同じ人の行動変化とは言えないことです。たとえば2024年の60代は、2013年の50代とは別の人たちを含みます。年代別の数字は、その年の年齢層の断面比較であり、個人の追跡ではありません。

データから読み取れること

数字からは、少なくとも次のことが確認できます。

  • 喫煙率の低下は事実で、全体の押し下げに最も効いているのは男性の低下
  • 男性は20代と30代で下げ幅が大きく、若い層ほど喫煙が減っている
  • それでも2024年の男性40代と50代は3割超で、平均値だけでは見えない高さが残る
  • 女性は全体で低い水準だが、40代から60代ではなお1割前後の層がある

一方で、このデータだけでは言えないこともあります。

  • なぜ下がったのかを、この統計だけで断定することはできない
  • 税率改定、受動喫煙対策、加熱式たばこへの移行、職場環境の変化など、複数の要因は考えられるが寄与度はこの表だけでは分からない
  • 地域差も、この全国値だけでは読めない

注意したい限界

喫煙率の数字は分かりやすい反面、読み違えやすい点があります。

  • 2012年以前は定義や調査方法が異なるため、長期の単純比較には注意が必要
  • 2020年と2021年は調査中止で、年次推移が連続していない
  • 「現在習慣的に喫煙している者」は紙巻たばこと加熱式たばこを含むが、製品別の行動差まではこの比較だけでは見えにくい
  • 年代別データは各年の断面であり、同じ世代を追跡したコホート分析ではない

次に見るべきポイント

喫煙率が下がったこと自体は確かです。ただ、次に見るべきなのは平均ではなく、どの層に高い水準が残っているかです。

  • 男性40代と50代の低下が今後どこまで進むか
  • 女性50代前後の水準がどこまで下がるか
  • 4年に1度の拡大調査で把握される都道府県差がどこまで見えてくるか

平均値だけを見ると「かなり減った」で終わります。ですが、年代別に開くと、減少のスピードは同じではありません。喫煙率の変化を生活習慣の変化として読むなら、次の焦点は残っている高率層がどこかです。

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