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失業率が最も高いのは若年層 2025年の年代差と10年推移を読み解く

若年から高齢までの働く世代と失業率の推移を表したイメージ。

失業率が最も高いのは若年層 2025年の年代差と10年推移を読み解く

日本で失業率が最も高い年代は、15~24歳の若年層です。総務省「労働力調査」によると、2025年平均の完全失業率は全体で2.5%。これに対し、15~24歳は3.8%、25~34歳は3.3%でした。

一方、35~54歳は2%台前半、65歳以上は1.9%です。若年層の失業率は10年前より大きく下がったものの、年代別で最も高い状態は変わっていません。

この記事で分かること

  • 2025年に完全失業率が最も高かった年代
  • 2015年から2025年までの年代別推移
  • 若年層と中年・高齢層で数字に差が出る背景
  • 国際比較や年代比較で注意すべき定義の違い
目次

使用データと比較条件

中心に使うのは、総務省統計局「労働力調査(基本集計)」の2025年平均結果です。 全国の男女計を対象とし、年齢階級別の完全失業率を比較します。

主な条件は次のとおりです。

  • 対象地域:日本全国
  • 対象期間:2015~2025年の年平均
  • 対象:男女計
  • 年齢区分:15~24歳、25~34歳、35~44歳、45~54歳、55~64歳、65歳以上
  • 指標:完全失業率
  • 2025年年報の公開日時:2026年3月31日

完全失業率は、15歳以上人口全体に占める失業者の割合ではありません。就業者と完全失業者を合わせた「労働力人口」に対する完全失業者の割合です。

完全失業者には、調査期間中に収入を伴う仕事をせず、仕事に就くことが可能で、ハローワークへの申し込みなど積極的な求職活動をしていた人が含まれます。仕事を希望していても、具体的な求職活動をしていない人は完全失業者に入りません。

2025年は15~24歳の3.8%が最高

2025年平均では、年齢が若いほど失業率が高い傾向がはっきり表れました。 最も高い15~24歳と、最も低い65歳以上の差は1.9ポイントです。

年齢階級2025年の完全失業率2024年からの変化
15~24歳3.8%0.2ポイント低下
25~34歳3.3%0.1ポイント低下
35~44歳2.3%横ばい
45~54歳2.0%0.1ポイント低下
55~64歳2.6%0.1ポイント上昇
65歳以上1.9%0.2ポイント上昇
全年齢2.5%横ばい

15~24歳の3.8%は全年齢の2.5%を1.3ポイント上回ります。比率で見ると約1.5倍です。25~34歳も3.3%と高く、34歳以下の2階級が上位を占めました。

ただし、中高年が一様に低いわけではありません。45~54歳は2.0%まで下がる一方、55~64歳は2.6%に上昇します。定年や雇用契約の満了、再就職時の職種・賃金条件などが関係し得る年代ですが、この集計だけで上昇理由を特定することはできません。

ここがポイント: 2025年は15~24歳の失業率が最も高い一方、前年から改善したのも若年層でした。反対に、55歳以上では率が上昇しています。

10年間で若年層の失業率は大きく低下

2015~2025年で最も大きく改善したのは15~24歳です。 失業率は5.5%から3.8%へ1.7ポイント低下しました。

年齢階級2015年2020年2025年10年間の変化
15~24歳5.5%4.6%3.8%1.7ポイント低下
25~34歳4.6%3.9%3.3%1.3ポイント低下
35~44歳3.1%2.5%2.3%0.8ポイント低下
45~54歳2.8%2.3%2.0%0.8ポイント低下
55~64歳3.1%2.6%2.6%0.5ポイント低下
65歳以上2.0%1.7%1.9%0.1ポイント低下

2015~2019年は全体的に改善

2015年から2018年にかけて、すべての年代で失業率が低下しました。15~24歳は5.5%から3.6%、25~34歳は4.6%から3.4%まで下がっています。

2019年には15~24歳が3.8%へ小幅に上昇しましたが、全年齢の失業率は2.4%で横ばいでした。この時期までの改善は若年層だけの現象ではなく、幅広い年代に及んでいます。

2020年は全年代で上昇

2020年には、新型コロナウイルス感染症の拡大と同時期に、各年代の失業率が上昇しました。

  • 15~24歳:3.8%から4.6%へ0.8ポイント上昇
  • 25~34歳:3.2%から3.9%へ0.7ポイント上昇
  • 35~44歳:2.2%から2.5%へ0.3ポイント上昇
  • 45~54歳:2.0%から2.3%へ0.3ポイント上昇
  • 55~64歳:2.1%から2.6%へ0.5ポイント上昇
  • 65歳以上:1.5%から1.7%へ0.2ポイント上昇

上昇幅は15~24歳が最大でした。若年層は卒業後の初職探しや短い勤続期間からの転職など、仕事と仕事の間に入る人が相対的に多く、雇用環境の急変が率に表れやすい面があります。

ただし、2020年の変化を単一の原因だけで説明するのは適切ではありません。完全失業率は、雇用の喪失だけでなく、求職活動を続けるか、いったん非労働力人口に移るかによっても動くからです。

2022年以降は若年層が再び改善

15~24歳は2021年の4.6%から、2022年4.4%、2023年4.1%、2024年4.0%、2025年3.8%へ低下しました。25~34歳も2021年の3.8%から2025年には3.3%まで下がっています。

一方、55~64歳は2023年2.5%、2024年2.5%、2025年2.6%と、直近では改善が止まっています。65歳以上も2023年1.7%、2024年1.7%、2025年1.9%でした。

つまり、2025年の若年失業率は依然として高いものの、直近の方向だけを見れば若年層は改善、高齢側はやや悪化という違いがあります。

なぜ若年層の失業率は高くなりやすいのか

若年層の高い失業率は、仕事への入口と移動の多さを含む数字として読む必要があります。 「若者が働いていない割合」と置き換えることはできません。

就職前の学生は分母に入らない

多くの学生は、就業も積極的な求職活動もしていなければ非労働力人口です。この場合、完全失業率の分母である労働力人口には含まれません。

そのため、15~24歳の3.8%は同年代人口全体の3.8%が失業しているという意味ではありません。働いている人と、働く意思があり具体的に仕事を探している人を合わせた集団のうち、3.8%が完全失業者だったという意味です。

初職探しや転職の影響を受けやすい

若年層では、学校から職業への移行、最初の就職先の選択、短期間での転職などが起きます。職歴が長い年代よりも、就業と求職の間を移動する機会が多ければ、調査時点で完全失業者になる割合も高くなりやすくなります。

これは失業の負担が軽いという意味ではありません。初職への移行が長引けば、収入の開始時期や職務経験の蓄積に影響します。家賃を負担して独立する時期、奨学金返済、結婚や子育てを含む生活設計にもつながる数字です。

中年層は雇用継続が率を押し下げる

35~44歳は2.3%、45~54歳は2.0%でした。この年代では、すでに勤務先や職種が定まっている人が若年層より多く、雇用が継続している間は完全失業者になりません。

ただし、失業率が低いからといって、離職した場合の影響まで小さいとは限りません。住宅費や教育費を負担する世帯では、収入が途切れたときの家計への影響が大きくなる可能性があります。失業の「起きやすさ」と、起きたときの「生活上の重さ」は別の軸です。

高齢層の低さには労働市場からの退出も関係する

65歳以上の完全失業率は1.9%で、全年代で最低でした。しかし、求職をやめた人は非労働力人口に移り、完全失業率の分子にも分母にも含まれなくなります。

65歳以上では、退職後に仕事を探さない選択も可能です。そのため、低い失業率だけから「希望する人が容易に仕事を得られている」とは判断できません。高齢者の就業状況を見るには、完全失業率と併せて労働力人口比率や就業率も確認する必要があります。

失業者数では25~34歳が最多

率と人数では、最も大きい年代が異なります。 2025年の完全失業者数は全国で176万人。年代別では25~34歳の39万人が最多でした。

  • 15~24歳:23万人
  • 25~34歳:39万人
  • 35~44歳:30万人
  • 45~54歳:33万人
  • 55~64歳:34万人
  • 65歳以上:18万人

15~24歳は失業率が最も高い一方、完全失業者数では25~34歳を下回ります。年齢階級ごとに労働力人口の大きさが違うためです。

行政が職業訓練や就職支援の規模を考えるときは人数が重要です。一方、同じ年代の働く人のうちどの程度が失業しているかを比べるなら率が役立ちます。目的に応じて両方を見る必要があります。

国際比較では日本の若年失業率は低い

若年層が国内で最も高いことと、日本の若年失業率が国際的に高いことは同じではありません。 OECDの比較では、2024年の15~24歳失業率は日本が4.0%、OECD全体が11.1%でした。

同じ資料で25歳以上は、日本2.4%、OECD全体4.1%です。若年層の失業率が年長層を上回る傾向は共通していますが、日本は両区分ともOECD全体を下回ります。

対象15~24歳25歳以上対象年
日本4.0%2.4%2024年
OECD全体11.1%4.1%2024年

ただし、国ごとに学校から仕事へ移る仕組み、在学中の就労、雇用契約、職探しの方法が異なります。失業者の定義は国際基準に沿っていても、若者が労働力人口に入るタイミングは同じではありません。

また、日本国内の年代比較は25~34歳、35~44歳など細かい階級ですが、OECD資料は15~24歳と25歳以上の2区分です。日本の国内表とOECD平均を階級ごとに直接対応させることはできません。

都道府県別の年代ランキングを作りにくい理由

全国の年代差は読めても、都道府県別・年代別の細かな順位には同じ精度を期待できません。 労働力調査は標本調査であり、地域と年齢を同時に細分化すると各区分の標本数が少なくなります。

総務省は都道府県別の完全失業率についてモデル推計値を公表していますが、全国の年齢階級別年平均と同じ形で、すべての都道府県を年代別に安定して順位付けできる資料ではありません。

市区町村単位まで見る場合は国勢調査の労働力状態が候補になります。ただし、国勢調査は5年ごとで、労働力調査のような毎月・毎年の変化を追う用途には向きません。

地域差を確認するときは、次のどちらを優先するかを決める必要があります。

  • 最新の景気変化を追う:労働力調査の全国値や地域別モデル推計値
  • 市区町村や年代を細かく比べる:5年ごとの国勢調査

更新頻度と地域の細かさは両立しにくいため、異なる統計の数値を同一年・同条件のランキングのように混ぜないことが大切です。

データから言えること、言えないこと

確実に言えるのは年代ごとの水準と推移であり、その差の原因をこの表だけで断定することはできません。

データから確認できる事実

  • 2025年の完全失業率は15~24歳が3.8%で最も高い
  • 次いで25~34歳が3.3%だった
  • 15~24歳は2015年の5.5%から1.7ポイント低下した
  • 2020年には全ての年齢階級で前年より上昇した
  • 2025年は15~34歳で低下し、55歳以上で上昇した
  • 完全失業者数は25~34歳の39万人が最も多い

このデータだけでは決められないこと

  • 各年代の失業率が変化した個別の原因
  • 失業期間の長さや、希望する仕事との条件差
  • 求職をやめて非労働力人口になった人の就業希望
  • 都道府県別・市区町村別の細かな年代順位
  • 失業した人が受ける家計負担の大きさ

例えば、55~64歳の失業率が2025年に0.1ポイント上がった事実は確認できます。しかし、定年、契約満了、企業都合の離職、自己都合の転職のどれが主因かは、年齢階級別失業率だけでは分かりません。求職理由や前職の離職理由を組み合わせた追加分析が必要です。

年代別失業率を見るときの注意点

最も誤読しやすいのは、失業率を人口全体に対する割合だと思ってしまうことです。 次の点を押さえると、数字の意味が明確になります。

1. 非労働力人口は計算に含まれない

学生、退職者、家事に専念する人など、働いておらず積極的な求職活動もしていない人は、原則として完全失業率の分母に入りません。年代によって非労働力人口の割合は大きく異なります。

2. 年平均と月次を混ぜない

この記事の国内比較は2025年の年平均です。月次値は季節や卒業・入社時期の影響を受け、年平均より振れやすくなります。最新月だけを年平均と直接比べる場合は、原数値か季節調整値かも確認が必要です。

3. 小数点以下の差を過大評価しない

労働力調査は全数調査ではなく標本調査です。2.5%と2.6%のような小さな差は、長期的な方向や複数の関連指標と合わせて判断すべきです。

4. 年齢区分が違う資料を直結しない

国内統計では10歳刻み、国際資料では15~24歳と25歳以上など、資料ごとに年齢区分が異なります。区分の境界が違えば、平均値も変わります。

5. 失業率だけで雇用の質は分からない

就業していれば失業者には数えられません。労働時間、賃金、正規・非正規の別、本人が希望する働き方とのずれは、別の統計で確認する必要があります。

次に見るべき3つの指標

年代別失業率を生活への影響につなげるには、就業率、求職理由、失業期間を重ねる必要があります。

  • 就業率・労働力人口比率:若者の在学や高齢者の退職を含め、各年代の何割が働いているか、労働市場に参加しているかを見る
  • 求職理由・前職の離職理由:初職探し、自己都合、企業都合、契約満了など、失業に至った経路を分ける
  • 失業期間:同じ失業率でも、短期間の転職移行が多いのか、長期失業が残っているのかを確認する

2025年の数字でまず注目すべきなのは、若年層の率が引き続き最高でありながら改善した一方、55歳以上では上向いたことです。次の年平均でこの動きが続くのか。さらに、若年層の低下が就職への円滑な移行を表すのか、それとも労働市場への参加そのものが変わったのかを、就業率と労働力人口比率で確かめる必要があります。

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