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主要21都市の水道・下水道料金を比較 月20m³で最大4,664円の差

蛇口と都市景観で主要都市の上下水道料金差を表したイメージ。

主要21都市の水道・下水道料金を比較 月20m³で最大4,664円の差

同じ月20m³の水を使っても、上下水道料金は住む都市によって大きく変わります。政令指定都市と東京都を同じ条件で比べると、標準料金は大阪市の3,388円から新潟市の8,052円まで広がり、最大差は月4,664円、約2.4倍です。

ただし、この差を「水道料金の高い・安い」だけで説明することはできません。請求額には水道料金と下水道使用料が含まれ、メーター口径、使用量、地域の地理条件、施設更新費、料金改定の時期によって順位が変わります。

この記事の要点は次の4点です。

  • 月20m³・口径20mmの上下水道料金は、21都市平均で約5,314円
  • 最も高い新潟市と最も低い大阪市では、月4,664円の差がある
  • 年間換算すると単純計算で約5万6,000円の差になる
  • 一時的な減免や改定予定を分けて見ないと、実際の請求額を誤解しやすい
目次

比較に使ったデータと条件

都市間比較では、使用量・口径・上下水道の範囲をそろえることが最も重要です。

主な比較資料には、静岡市が上下水道料金の検討用にまとめた「20政令市+東京都」の料金比較を使いました。各都市の標準料金を、次の条件で並べています。

  • 対象地域:20政令指定都市と東京都の計21都市
  • 使用量:1か月20m³
  • メーター口径:20mm
  • 用途:一般家庭を想定した一般用
  • 比較額:水道料金と下水道使用料の合計
  • 税:税込額
  • 比較対象:臨時の減免を差し引く前の標準料金

20m³は2万リットルです。1日平均に直すと約667リットルとなり、複数人世帯の料金差を比較する基準として自治体資料でよく使われます。ただし、実際の平均使用量は世帯人数や住宅設備によって異なります。

また、多くの都市は2か月ごとに検針・請求します。この記事では都市間の条件をそろえるため、資料に掲載された「1か月20m³」の金額を使っています。実際の請求書が2倍の水量・期間で計算される場合、端数処理などにより単純な2倍と一致しないことがあります。

月20m³の料金は大阪市3,388円、新潟市8,052円

21都市の標準料金は3,388~8,052円に分布し、平均は約5,314円でした。

金額の高い順に並べると、次のようになります。

順位都市上下水道料金21都市平均との差
1新潟市8,052円+2,738円
2岡山市6,377円+1,063円
3仙台市6,207円+893円
4福岡市6,006円+692円
5さいたま市5,957円+643円
6浜松市5,654円+340円
7静岡市5,384円+70円
8熊本市5,360円+46円
9千葉市5,285円-29円
9堺市5,285円-29円
11横浜市5,052円-262円
12札幌市5,049円-265円
13名古屋市5,038円-276円
14京都市5,027円-287円
15相模原市5,024円-290円
16東京都4,884円-430円
17広島市4,713円-601円
18北九州市4,690円-624円
19神戸市4,686円-628円
20川崎市4,477円-837円
21大阪市3,388円-1,926円

※平均との差は、21都市の単純平均約5,314円を基準に計算。1円未満を四捨五入しています。

上位5都市だけでも2,095円の幅がある

最も高い新潟市の8,052円は、2位の岡山市より1,675円高くなっています。上位5都市の中でも、新潟市とさいたま市の差は2,095円です。

新潟市では2025年1月に水道料金が改定されました。料金は固定された全国共通価格ではなく、各事業体が施設維持や収支の見通しを踏まえて決めます。改定直後の都市と長期間据え置いている都市を並べれば、差が大きく見える場合があります。

中央付近には5,000円前後の都市が集まる

横浜市、札幌市、名古屋市、京都市、相模原市は5,024~5,052円の範囲です。5都市の最大差は28円しかありません。

一方で、内訳まで同じとは限りません。水道料金が近くても下水道使用料が違うケースや、その逆もあります。引っ越し先の家計負担を確かめるなら、合計額に加えて「水道」と「下水道」の内訳を見る必要があります。

大阪市は平均より月1,926円低い

大阪市の3,388円は、21都市平均より1,926円低い水準です。新潟市との差は月4,664円。年間を単純計算すると5万5,968円になります。

これは、同じ人が同じ量を使った場合にも生じる固定的な地域差です。節水だけでは埋められないため、賃貸住宅の比較では家賃や電気・ガス料金とともに確認する価値があります。

ここがポイント: 都市間の差を測るときは、水道料金だけでなく下水道使用料を含め、口径と使用量をそろえる必要があります。今回の条件では、最高額と最低額の差は月4,664円です。

なぜ住む場所で2倍を超える差が生まれるのか

料金差は、水源から家庭まで水を運び、使った水を処理するコストと、各都市の料金設計の違いから生まれます。

水源との距離や高低差が違う

水道事業では、河川やダムなどから取水し、浄水場で処理した水を配水池や家庭へ送ります。水源の水質、浄水処理の難しさ、送水距離、高低差によって必要な施設や電力は変わります。

人口が密集する都市は、短い管路で多くの利用者に給水できる可能性があります。反対に、給水区域が広く住宅が分散する地域では、利用者1人当たりの管路延長や維持費が大きくなりやすいと考えられます。

ただし、人口密度だけで料金を説明することはできません。大都市には老朽管の更新、耐震化、大規模浄水場の維持といった費用もあります。

基本料金と従量料金の配分が異なる

上下水道料金は、主に次の二つで構成されます。

  • 基本料金・基本使用料:使用量が少なくても発生する部分
  • 従量料金・超過料金:使った水量に応じて増える部分

都市によっては一定量まで基本料金に含める「基本水量」を設けています。別の都市では、少量から1m³ごとの従量料金が発生します。そのため、20m³で安い都市が、50m³や100m³でも同じ順位になるとは限りません。

静岡市の比較資料でも、20m³では新潟市が最も高い一方、口径25mm・100m³では福岡市が最も高くなっています。使用量が変われば順位も変わることを示す例です。

水道と下水道は別の事業

家庭の請求書では一緒に表示されることが多いものの、水道と下水道では役割も料金体系も異なります。

  • 水道料金:取水、浄水、送水、配水管の維持などに使われる
  • 下水道使用料:汚水の収集、下水処理場での処理、管路の維持などに使われる

下水道を使わない区域では、合併処理浄化槽の設置・維持費など別の負担が生じます。したがって、「下水道使用料が請求されないから生活コストも低い」とは限りません。

2026年は減免と料金改定にも注意

2026年の請求額は、標準料金表だけでは分からない都市があります。

自治体が物価高対策などで期間限定の支援を実施すると、通常料金より請求額が下がります。一方、施設の維持管理費増加を理由に改定する都市もあります。

東京都は夏の4か月間、基本料金を無償化

東京都水道局は、2026年夏の4か月間、小口径の契約者を対象に水道の基本料金を無償とする臨時措置を実施しています。対象は主に家庭で使われる13mm、20mm、25mmで、申請は不要です。

これは従量料金や下水道料金までゼロにする制度ではありません。表の4,884円は通常の標準料金なので、対象期間中の実請求とは一致しません。

福岡市は家庭の下水道使用料を4か月分減免

福岡市は、2026年2~5月中の検針2回分を対象に、家庭の下水道使用料を全額減免しました。水道料金は減免対象外です。

表の6,006円は通常料金による比較額です。減免対象となった請求では、上下水道合計がこの金額より低くなります。検針時期は居住地によって異なるため、対象となった使用期間も各家庭で同一ではありません。

札幌市は2026年10月に下水道使用料を改定

札幌市は2026年10月から下水道使用料を平均22.6%改定します。市によると、維持管理費は直近10年間で33%増加しました。

月20m³では、下水道使用料の税抜計算が次のように変わります。

  • 改定前:基本600円+67円×10m³=1,270円
  • 改定後:基本750円+87円×10m³=1,620円
  • 差額:税抜350円、税込では385円相当

水道料金が変わらない前提なら、表の上下水道合計5,049円は改定後に約5,434円となります。これは単純計算による目安で、実際の適用時期や端数処理は検針期間によって確認が必要です。

ランキングを読むときの注意点

この表は地域差を把握する比較指標であり、各家庭の請求額を予測する見積書ではありません。

口径が違えば基本料金も変わる

水道メーターの口径は13mm、20mm、25mmなどがあり、一般に口径が大きいほど基本料金が高くなる料金体系が使われます。

今回の比較条件は20mmです。13mmの住戸や、建物全体に大口径メーターを設置して各戸へ配分する集合住宅では、同じ20m³でも金額が一致しないことがあります。

月10m³では順位が大きく違う

同じ静岡市資料の月10m³・口径20mm比較では、新潟市が4,884円で最も高く、川崎市が1,540円で最も低くなっています。20m³比較で最安だった大阪市は、10m³では1,650円です。

少量使用時には基本料金や基本水量の設計が強く表れます。単身世帯が引っ越し先を比較するなら、20m³ランキングよりも、自分に近い10m³前後の早見表を確認した方が実態に近づきます。

使用量は「人数×月数」だけでは決まらない

実際の水量は、世帯人数に加えて次の条件でも変わります。

  • 浴槽に湯を張る頻度
  • シャワーや洗濯の回数
  • 食器洗い乾燥機や節水型トイレの有無
  • 在宅時間
  • 漏水の有無
  • 庭への散水や洗車

検針票には通常、今回と前回の使用量が記載されています。転居前に比較するなら、現在の使用量を基準に転居先自治体の料金シミュレーターへ入力する方法が最も確実です。

比較資料と現在の料金には時点差がある

料金表は条例改正によって変わります。今回の比較資料は各都市の料金を同じ条件で一覧化するのに有用ですが、その後に実施・決定された臨時減免や料金改定は別途反映する必要があります。

特に2026年は、東京都と福岡市の期間限定支援、札幌市の10月改定があるため、「通常料金」「実際の請求」「将来の料金」を分けて読むことが欠かせません。

引っ越し前に確認したい3つの数字

自治体名だけで高い・安いを判断せず、自分の契約条件に置き換えるのが実用的です。

確認する数字は三つあります。

  1. 検針票にある1か月または2か月の実使用量
  2. 転居先住戸のメーター口径
  3. 水道料金と下水道使用料を合わせた合計額

賃貸物件では、管理会社が一括検針して独自の方法で各戸へ請求する場合もあります。自治体の早見表だけでなく、物件の請求方法も確認してください。

月20m³では、新潟市と大阪市の標準料金差が年間約5万6,000円に達します。ただし、2026年には減免や改定で実請求が動く都市があります。次に見るべきなのはランキングの順位ではなく、自分の使用量を入れた最新料金と、改定予定日です。

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