MENU

第1子の出産は平均31歳へ――50年の上昇と「30代中心」の出生構成を読む

赤ちゃんの靴とカレンダーを配置し、出産時期の変化を表したイメージ。

第1子の出産は平均31歳へ――50年の上昇と「30代中心」の出生構成を読む

第1子を産んだときの母の平均年齢は、1975年の25.7歳から2024年の31.0歳へ、49年間で5.3歳上がった。2025年も年計概数では31.0歳で、直近は横ばいだ。長期的には出産の時期が後ろへ移ったが、毎年同じ速さで上がり続けているわけではない。

平均だけでは、その変化の中身は見えない。母の年齢別にすべての出生を比べると、1985年は25〜29歳が最多だったのに対し、2025年は30〜34歳が最多になっている。

この記事では、全国の人口動態統計を使い、次の3点を確かめる。

  • 第1子出生時の平均年齢は、いつ大きく上がったのか。
  • 出生の年齢構成は、人数と割合でどう変わったのか。
  • 平均年齢や第1子の割合から、何が分かり、何は分からないのか。
目次

使用データ:平均年齢と出生構成は、別の指標として読む

比較するのは、日本で発生した日本人の出生であり、日本国内のすべての出生を含む数字ではない。

主な出典は厚生労働省の人口動態統計。長期の平均年齢は1975〜2024年の推移、年齢別・出生順位別の構成は1985〜2025年の確定数を使う。集計は出生届などに基づく。

2026年10月8日時点で、最新の年次確定数は同年9月30日公表の2025年分だ。ただし、以下で示す2025年の第1子出生時平均年齢31.0歳は、6月3日公表の年計概数で確認した値である。出生数の表には9月公表の確定数を使い、両者を区別する。厚生労働省「2025年人口動態統計(確定数)の概況」

ここでいう出生順位は、同じ母親がこれまでに生んだ出生子について数えた順序だ。「その年に生まれた第1子」と「その時点で一人っ子の家庭」は一致しない。

また、平均年齢は実際に第1子を産んだ人についての数字である。まだ産んでいない人や、子どもを持たない人も含めた女性全体の平均ではない。

平均年齢:上昇は2000年代に大きく、近年は緩やか

第1子出生時の平均年齢は約5歳上がったが、上昇の速さには時期による違いがある。

出生年第1子出生時の母の平均年齢
1975年25.7歳
1985年26.7歳
1995年27.5歳
2000年28.0歳
2005年29.1歳
2010年29.9歳
2011年30.1歳
2015年30.7歳
2020年30.7歳
2023年31.0歳
2024年31.0歳
2025年(概数)31.0歳

出典:こども家庭庁の公表資料、厚生労働省の2025年年計概数。平均年齢は公表値の小数第1位で比較している。こども家庭庁「成育医療等に関する施策の実施状況等について」、厚生労働省「2025年人口動態統計月報年計(概数)の概況」

2000〜2010年には1.9歳上がった。一方、2015〜2024年の上昇は0.3歳で、2015〜2020年は30.7歳が続いた。長期の上昇と、直近の横ばいは両立している。

ただし、31.0歳という表示が同じでも、年齢分布まで同じとは限らない。20代の出生が減り、30代前半の出生が増えるなど、内訳の変化が平均では見えにくくなる場合がある。小数第1位への丸めによって、小さな変化が表示に出ないこともある。

出生構成:中心は20代後半から30代前半へ移った

すべての出生を年齢別に見ると、最多の年齢層が変わっただけでなく、35歳以上の占める割合も大きくなっている。

以下は第1子に限定せず、第2子以降も含む比較だ。割合は各年の出生総数を分母として計算し、小数第1位に丸めた。

母の年齢1985年の出生数・割合2025年の出生数・割合
25〜29歳682,885人・47.7%173,147人・25.8%
30〜34歳381,466人・26.6%255,678人・38.1%
35歳以上101,970人・7.1%198,605人・29.6%
出生総数1,431,577人671,270人

出典:厚生労働省「2025年人口動態統計(確定数)の概況」第6表。35歳以上は35〜39歳、40〜44歳、45〜49歳、50歳以上の合計。表は年齢層を抜粋しており、内訳の割合は100%にならない。元の統計表

割合が増えても、人数が増えたとは限らない

30〜34歳の割合は26.6%から38.1%へ上がったが、出生数は約38.1万人から約25.6万人へ減った。ほかの年齢層の減少がより大きいため、全体に占める割合が上がっている。

35歳以上は違う。割合だけでなく、出生数も約10.2万人から約19.9万人へ増えた。同じ「構成割合の上昇」でも、人数の動きは年齢層によって異なる。

ここで比較しているのは、あくまで出生した子どもの数だ。それぞれの年齢層の女性人口で割った出生率ではない。女性の人口規模が変われば、出生数も変わるため、この表だけで「その年齢で産む確率が何倍になった」とは判断できない。

第1子だけに絞ると、全出生とは違う分布になる

2025年の第1子出生数は319,180人。そのうち25〜29歳は107,509人、30〜34歳は114,066人で、それぞれ33.7%、35.7%を占める。35歳以上は65,152人、20.4%だ。

全出生では35歳以上が29.6%なのに対し、第1子では20.4%にとどまる。第2子以降も含めた数字を「初めて出産する年齢の分布」として使うと、年齢の高い出生の割合を大きく見せてしまう。

第1子の割合:上昇しても「一人っ子が増えた」とは決められない

その年の出生に占める第1子の割合は、家庭が最終的に持つ子どもの数を直接表さない。

1985年の第1子出生数は602,005人で、出生総数の42.1%だった。2025年は319,180人、47.5%である。第1子の人数は減った一方、全出生に占める割合は上がった。

この違いは、同じ年に生まれた第2子以降の人数との関係で生まれる。2025年は前年より、第1子が3,296人減ったのに対し、第2子は8,370人、第3子以上は3,237人減った。出生順位ごとの減り方はそろっていない。

しかし、2025年に第1子を産んだ人が、数年後に第2子を産む可能性はこの年の表には含まれない。家庭の子ども数を検証するには、同じ世代を追うデータや、夫婦の出生歴を調べる資料が必要になる。

ここがポイント: 「その年に何番目の子が生まれたか」と「一つの家庭が最終的に何人の子を持ったか」は、別の問いである。

平均31歳から分かること、分からないこと

平均年齢は出産時期の変化を示すが、その理由や個人の予定までは説明しない。

平均は「最も多い年齢」でも「真ん中の年齢」でもない

平均年齢、中央値、最頻値は意味が違う。

  • 平均年齢:年齢を出生数で重み付けして求める値。
  • 中央値:年齢順に並べたとき、中央に位置する値。
  • 最頻値:出生数が最も多い年齢。

平均31.0歳だからといって、31歳の出生が最多とは限らない。また、30〜34歳が最多の5歳階級でも、その中のどの年齢が多いかは各歳別の表を見なければ分からない。この記事では中央値を算出していないため、平均で代用しない。

晩婚化との関係はあっても、理由を一つに絞れない

こども家庭庁の2026年版こども白書では、1990〜2025年に妻の平均初婚年齢が3.8歳、第1子出生時の母の平均年齢が4.0歳上がったと整理している。結婚と第1子出生の時期が、長期的にともに後ろへ移ったことが分かる。2026年版こども白書

ただし、人口動態統計の年齢表には、住宅費、雇用、交際、本人の希望などの理由は記録されていない。この表だけで、どの要因が何歳分の上昇を生んだかを分解することはできない。

さらに、平均初婚年齢と第1子出生時平均年齢は、同じ人たちを追った数字ではない。二つの平均の差を、そのまま「結婚から第1子までの平均期間」と読むことも避けたい。

次に見る数字:平均の更新より、年齢別の人数と出生率

今後の変化を見極めるには、平均年齢の小さな上下より、どの年齢で出生が増減したかを確かめる必要がある。

2025年の確定数では、30〜34歳の出生数が前年より2,234人増えた。その内訳では第1子が3,041人増え、第2子と第3子以上は減っている。平均31歳という一つの数字では、この動きは見えない。

次の年の統計では、以下を分けて確認したい。

  • 30代前半の第1子出生数:2025年の増加が続くか。
  • 年齢別出生率:人数の変化が、女性人口の増減だけで説明されるか。
  • 第2子以降の推移:第1子の動きとは別に、どの年齢層で増減するか。

なお、2025年の人口を分母に使う詳細な諸率は、2026年11月公表予定とされている。出生数と構成割合は先に読めるが、人口規模をそろえた比較は公表後に確認する必要がある。

家庭の予定を考える場面でも、31歳を一律の目標や期限として使う根拠はない。全国平均は社会の変化を読む目印であり、個人の希望、仕事、住まい、健康状態を置き換える数字ではない。

参照リンク

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次