スマホ利用が急増するのは12〜13歳 最新調査で見る子どもの利用率と平日時間
子どものスマートフォン利用が大きく増える境目は、小学校高学年から中学校入学期に当たる12〜13歳です。こども家庭庁の調査では、2024年度の利用率が11歳45.4%、12歳63.8%、13歳78.3%へ上昇していました。
ただし、利用時間まで含めて考えると、注目すべき変化は一度ではありません。スマホを使い始める割合は12〜13歳で跳ね上がり、インターネット全体の平日利用時間は中学、高校と進むにつれてさらに長くなります。
この記事で分かること
- スマホ利用率が急に高くなる年齢
- 小学生・中学生・高校生の平日インターネット利用時間
- 2016年度から2025年度までの利用率の変化
- 「利用率」「専用率」「利用時間」を読む際の注意点
使用データと比較条件
中心に使うのは、こども家庭庁が2026年3月に公表した2025年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」です。
調査は2025年11〜12月に行われ、満10〜17歳の青少年本人と、満0〜9歳の子どもの保護者を対象としています。この記事では、次の指標を分けて扱います。
- スマートフォン利用率:スマホを使ってインターネットを利用している人の割合
- スマートフォン専用率:スマホ利用者のうち、自分専用の端末を使っている人の割合
- インターネット利用時間:スマホだけでなく、パソコン、タブレット、ゲーム機、テレビなどを合計した平日の平均時間
年齢ごとの利用率は、同じ設問で0〜17歳を一覧できる2024年度調査を使います。長期推移と学校種別の利用時間には、執筆時点で最新の2025年度調査を使いました。
ここは重要です。「スマホを利用している」と「自分のスマホを所有している」は同じ意味ではありません。 親と共用する端末や、通信契約が切れたスマホを使うケースも調査対象に含まれます。
利用率の転換点は12〜13歳
年齢別の数字を見ると、スマホ利用は幼児期から少しずつ広がる一方、12〜13歳で増加幅が明確に大きくなります。
2024年度調査の年齢別スマートフォン利用率は次の通りです。割合は各年齢の回答者全体を100%として計算されています。
| 年齢 | スマホ利用率 | 前年齢との差 |
|---|---|---|
| 6歳 | 24.0% | ― |
| 7歳 | 23.0% | -1.0ポイント |
| 8歳 | 26.5% | +3.5ポイント |
| 9歳 | 26.0% | -0.5ポイント |
| 10歳 | 32.5% | +6.5ポイント |
| 11歳 | 45.4% | +12.9ポイント |
| 12歳 | 63.8% | +18.4ポイント |
| 13歳 | 78.3% | +14.5ポイント |
| 14歳 | 82.9% | +4.6ポイント |
| 15歳 | 90.3% | +7.4ポイント |
| 16歳 | 97.1% | +6.8ポイント |
| 17歳 | 98.0% | +0.9ポイント |
最大の上昇は11歳から12歳への18.4ポイント増です。10歳の32.5%から13歳の78.3%まで、わずか3歳の間に45.8ポイント上がっています。
したがって、「何歳から増えるか」への答えは一つに絞るなら12歳です。ただし、実態に近い表現は「11歳ごろから上昇が加速し、12〜13歳で多数派になる」となります。
幼児期の数字は「本人の端末」を意味しない
2024年度調査では、0歳でもスマホ利用率が4.3%、2歳では19.8%でした。これは乳幼児がスマホを契約・所有しているという数字ではありません。
低年齢層については保護者が回答しており、親の端末を共用して動画を見るなどの利用も含まれます。10歳以上は青少年本人への調査に切り替わるため、9歳と10歳をまたぐ比較には回答者の違いもあります。
「使う」から「自分専用」への切り替わりも早い
利用開始の次に起きるのが、共用端末から専用端末への移行です。
2025年度調査では、スマホ利用者のうち自分専用の端末を使う割合が、9歳で49.0%となり、保護者との共用37.0%を上回りました。年齢が上がると専用化は急速に進みます。
- 9歳:自分専用49.0%、保護者と共用37.0%
- 10歳:自分専用66.4%、保護者と共用23.9%
- 11歳:自分専用74.2%、保護者と共用18.1%
- 12歳:自分専用89.2%、保護者と共用7.1%
- 13歳:自分専用95.6%、保護者と共用1.8%
ただし、この分母はスマホ利用者です。例えば9歳の「専用49.0%」は、9歳全体の半数が自分のスマホを持つという意味ではありません。
ここがポイント: 9歳前後で利用者の中では専用端末が共用端末を上回り、12〜13歳でスマホ利用そのものが多数派になります。「使い始め」と「自分専用になる時期」は別の転換点です。
この違いは、家庭でルールを考える時期にも関係します。初めて端末を渡す直前だけでなく、親子共用から本人専用へ移る前に、利用時間や課金、連絡先、位置情報、フィルタリングの扱いを決める必要があります。
平日のネット利用は小学生3時間54分、中学生5時間24分
利用時間は学校段階が上がるほど長くなります。2025年度調査で、何らかのインターネット接続機器を使う青少年の平日平均は次の通りでした。
| 学校段階 | 平日の平均利用時間 | 3時間以上の割合 | 5時間以上の割合 |
|---|---|---|---|
| 小学生(10歳以上) | 233.6分(3時間54分) | 61.7% | 28.8% |
| 中学生 | 324.3分(5時間24分) | 78.1% | 48.0% |
| 高校生 | 404.0分(6時間44分) | 86.0% | 63.3% |
小学生から中学生になると平均は90.7分、中学生から高校生では79.7分増えます。小学生と高校生の差は170.4分、約2時間50分です。
ここで示しているのはスマホだけの時間ではありません。学校配布端末での学習、ゲーム機のオンライン利用、ネット対応テレビでの動画視聴なども合計されています。
年齢別では10歳から17歳まで増加が続く
男女別の年齢集計でも、年齢が上がるにつれて利用時間が長くなる傾向が見えます。2025年度の平均は、10歳男子215.8分、17歳男子443.2分でした。女子は10歳196.7分、17歳409.9分です。
ただし、各年齢で男女の長短が完全に同じ順序になるわけではありません。個々の利用目的や生活時間は集計値だけでは分からず、年齢が利用時間を直接増やしたと断定することもできません。
時間の合計には同時利用が重なる可能性がある
調査では機器ごとの利用時間を合計しています。スマホを見ながらテレビでネット動画を流すなど、複数機器を同時に使った時間が重複する可能性があります。
そのため、404分という平均を「起きている時間のうち6時間44分、画面だけに集中していた」と読み替えるのは正確ではありません。数字は、インターネットに接続した複数機器の利用量を示す指標として見るべきです。
10年間で小中学生のスマホ利用が大きく拡大
長期推移では、高校生より小学生と中学生の変化が目立ちます。
2025年度のスマホ利用率は、小学生66.5%、中学生90.4%、高校生97.9%でした。2016年度と比べると、次のように変化しています。
| 学校段階 | 2016年度 | 2025年度 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 小学生(10歳以上) | 22.3% | 66.5% | +44.2ポイント |
| 中学生 | 47.3% | 90.4% | +43.1ポイント |
| 高校生 | 92.9% | 97.9% | +5.0ポイント |
高校生は2016年度の時点ですでに9割を超えていました。対して、小学生は約3倍、中学生はほぼ2倍になっています。スマホの広がりが現在進んでいる中心は、高校生ではなく、より低い年齢層です。
全年齢を合わせたスマホ利用率も、2016年度の53.4%から2025年度には86.1%へ上がりました。一方、調査対象の99.0%が何らかの機器でインターネットを利用しています。子どものネット利用は、すでに一部の家庭だけの行動ではありません。
数字から言えること、言えないこと
調査が示すのは、進学期と重なる年齢で利用率と利用時間が大きく変わるという事実です。その背景を一つの原因だけで説明することはできません。
数字から確認できること
- スマホ利用率は11〜13歳で急上昇する
- スマホ利用者の専用端末率は9歳で保護者との共用率を上回る
- インターネット利用時間は小学生、中学生、高校生の順に長い
- 2016年度以降、小中学生のスマホ利用率が40ポイント以上上昇した
この調査だけでは断定できないこと
- 中学校への進学そのものがスマホ利用を増やしたか
- 連絡、学習、動画、ゲームのどれが利用増加の主因か
- 長時間利用が学力や睡眠、心身の状態にどの程度影響したか
- 所得や地域の違いが利用開始年齢をどう変えているか
進学、通学範囲の拡大、友人との連絡、部活動、学習サービスの利用などは、12〜13歳の変化と時期が重なります。しかし、同時期に起きるからといって、それぞれが利用増加の原因だとは限りません。
地域差や国際差を単純に並べにくい理由
今回の公表資料には地域別の利用時間集計がありますが、都道府県別のスマホ利用開始年齢ランキングを安定して作れる規模ではありません。年齢、地域、端末種別を細かく分けるほど回答者数が少なくなり、数ポイントの差が標本の偏りで動きやすくなるためです。
国際比較にも同じ問題があります。各国調査では、次の条件がそろわないことがあります。
- 「所有」と「利用」のどちらを尋ねたか
- スマホだけか、タブレットやゲーム機も含むか
- 平日か休日か、自己申告か端末ログか
- 調査対象の年齢区分
- 学習時間をスクリーン時間に含めるか
条件が違う数字を順位にすると、実際の生活差より設問の違いを比べる結果になりかねません。今回の結論は、日本国内で同じ調査の年齢差と推移を追う範囲に限定しています。
家庭で見るべきは「何歳」だけではない
実用上の注目点は、全国平均の開始年齢に合わせることではなく、端末の使われ方が変わる節目を把握することです。
確認するタイミングは三つあります。
-
親の端末を貸し始めるとき
動画の自動再生、購入制限、利用場所を決めます。 -
本人専用の端末に切り替えるとき
親の目が届きにくくなるため、連絡先、SNS、課金、フィルタリングの設定を確認します。 -
進学などで利用時間が延びたとき
合計時間だけでなく、学習、連絡、娯楽の内訳と、就寝時刻への影響を見ます。
12〜13歳は統計上の大きな転換点です。一方、専用端末への移行はそれより前から始まっています。次に見るべき数字は単なる利用率ではなく、利用目的別の時間と、専用端末を持った後に家庭のルールがどう変わるかです。
