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清涼飲料は増えたのか 2025年は数量減、茶系だけが12年で25%伸びた

炭酸飲料、スポーツ飲料、茶系飲料の推移を表す3本のボトル。

清涼飲料は増えたのか 2025年は数量減、茶系だけが12年で25%伸びた

清涼飲料水の国内生産量は、長期では増えています。ただし、直近の2025年は前年比2.1%減でした。炭酸飲料、スポーツ飲料等、茶系飲料もそろって前年を下回っています。

品目別に見ると、2013年から2025年までに大きく伸びたのは茶系飲料です。炭酸飲料はほぼ横ばい、スポーツ飲料等は約2割減となり、清涼飲料全体の増加を「どの飲料も以前より売れている」と読むことはできません。

  • 2025年の清涼飲料水生産量:2,311万200キロリットル、前年比2.1%減
  • 1人当たり年間消費量:187.5リットル、1日換算で514ミリリットル
  • 2013年比:茶系飲料は25.3%増、炭酸飲料は3.8%増
  • 2013年比:スポーツ飲料等は19.8%減
目次

使用データと比較条件

この記事では、全国清涼飲料連合会が公表した2026年版データブックを中心に、国内の生産量を比較します。

対象は、日本国内で2025年1月から12月までに生産された清涼飲料水です。連合会が会員企業や生産者から報告を受け、品目別の数量を集計しています。

比較条件は次の通りです。

  • 対象地域:日本全国
  • 対象期間:2013年、2019年、2024年、2025年
  • 指標:品目別生産量
  • 単位:キロリットル
  • 比較品目:炭酸飲料、スポーツ飲料等、茶系飲料

ここでいう「消費」は、主に生産統計から市場全体の動きを捉えたものです。家庭が購入した数量や、個人が実際に飲んだ量を直接測定した値ではありません。

2025年は3品目とも減少した

最新年だけを見れば、清涼飲料の数量は増加ではなく減少です。

2025年の清涼飲料水全体の生産量は2,311万200キロリットル。2024年の2,359万6,300キロリットルから48万6,100キロリットル減りました。

品目2024年2025年前年比
茶系飲料564万5,400kl561万1,400kl0.6%減
炭酸飲料389万6,300kl377万8,300kl3.0%減
スポーツ飲料等138万5,500kl134万6,800kl2.8%減
清涼飲料水全体2,359万6,300kl2,311万200kl2.1%減

最大品目の茶系飲料は小幅な減少にとどまりました。一方、炭酸飲料は11万8,000キロリットル減り、3品目の中で最も減少率が大きくなっています。

ただし、1年間の増減は気温、販売施策、新商品の投入、在庫調整などにも左右されます。この表だけから、生活者の嗜好が一斉に変わったとは判断できません。

12年で伸びたのは茶系、減ったのはスポーツ飲料

長期比較では、3品目の進んだ方向がはっきり分かれます。

品目2013年2025年12年間の変化
茶系飲料447万9,000kl561万1,400kl25.3%増
炭酸飲料364万1,500kl377万8,300kl3.8%増
スポーツ飲料等167万9,500kl134万6,800kl19.8%減
清涼飲料水全体2,023万2,200kl2,311万200kl14.2%増

茶系飲料は最大品目として定着

茶系飲料は12年間で113万2,400キロリットル増えました。増加率は25.3%で、清涼飲料水全体の14.2%を上回ります。

2025年の内訳では、緑茶飲料が304万8,900キロリットルで茶系全体の半分以上を占めました。むぎ茶飲料は144万3,200キロリットル、ウーロン茶飲料は38万2,300キロリットルです。

つまり、茶系という大分類の伸びを読むときも、すべての茶が同じ規模で動いているわけではありません。緑茶飲料とむぎ茶飲料の大きさが、市場全体への影響を強めています。

炭酸飲料は「急増」ではなく横ばい圏

炭酸飲料は2013年比で13万6,800キロリットル増えましたが、増加率は3.8%です。12年間という期間を考えると、大幅な拡大とは呼びにくい水準です。

さらに、コロナ禍前の2019年は395万9,900キロリットルでした。2025年はそこから4.6%少なく、近年の動きだけを切り取ると回復一辺倒ではありません。

スポーツ飲料等は天候だけでは説明できない

スポーツ飲料等は、2013年の167万9,500キロリットルから2025年には134万6,800キロリットルへ減少しました。差は33万2,700キロリットルです。

年ごとの振れも大きく、2022年は前年比11.2%増、2023年は4.1%増でしたが、2024年は4.0%減、2025年は2.8%減となりました。

暑さや運動時の水分補給と結びつきやすい品目ですが、生産量には商品構成、他の水分補給飲料との競合、流通在庫も関係します。気温だけを原因とする解釈は避ける必要があります。

ここがポイント: 清涼飲料水全体は2013年より14.2%増えましたが、その中身は一様ではありません。茶系飲料が25.3%伸びる一方、スポーツ飲料等は19.8%減っています。

コロナ禍前と比べると「市場拡大」の印象は弱まる

2019年を基準にすると、2025年の総生産量は1.9%増にとどまります。

2013年比では全体が14.2%増えているものの、2019年の2,268万4,200キロリットルから2025年までの増加は約42万6,000キロリットルです。

3品目の2019年比は次の通りです。

  • 茶系飲料:1.3%増
  • 炭酸飲料:4.6%減
  • スポーツ飲料等:5.3%減

基準年をどこに置くかで見え方が変わります。「10年以上では増加」「コロナ禍前からはほぼ横ばい」「直近1年では減少」の3つは、同時に成立する事実です。

長期トレンドを示すときは、開始年と終了年だけで結論を出さず、途中の転換点も確認する必要があります。

数量が減っても販売金額は増えた

2025年は、生産量が2.1%減る一方、生産者販売金額は5.3%増えました。

全体の生産者販売金額は4兆9,824億8,800万円です。数量と金額が逆方向に動いたため、生活者にとっては「飲む量が増えた」というより、商品単価や高付加価値商品の構成変化を含む金額面の拡大として表れています。

同じ傾向は3品目にも見られます。

  • 炭酸飲料:生産量3.0%減、販売金額3.7%増
  • 茶系飲料:生産量0.6%減、販売金額2.3%増
  • スポーツ飲料等:生産量2.8%減、販売金額5.2%増

ただし、生産者販売金額は小売店の店頭価格や家計の支払額そのものではありません。値上げの寄与を厳密に分けるには、総務省の消費者物価指数や家計調査を組み合わせ、容量変更や購入先の違いも確認する必要があります。

地域差や年代差はこの統計だけでは分からない

全国の生産統計は市場の大きさを捉える一方、誰がどこで飲んだかまでは示しません。

今回の数字から直接確認できないものには、次があります。

  • 都道府県別、市区町村別の消費量
  • 年代別の購入量や飲用頻度
  • 家庭内消費と外出先消費の内訳
  • 容器容量の変更による購入本数との差
  • 輸出入、在庫、廃棄を調整した最終消費量

また、全清飲の統計は報告企業・生産者から集めた生産量を100キロリットル単位で丸めた集計です。家計調査は世帯支出、消費者物価指数は代表的な商品の価格を測るため、同じ「飲料」の数字でも対象と定義が異なります。

異なる統計を並べる場合は、生産量、購入数量、支出額、価格を混同しないことが重要です。

次に見るべきは「量」より品目構成と負担額

清涼飲料市場を今後見るうえでは、総量の増減だけでなく、何に置き換わり、家計負担がどう変わるかが焦点になります。

2025年の数字から確認しておきたい点は、次の3つです。

  • 茶系飲料が最大品目を維持し、長期の伸びを保てるか
  • 炭酸飲料とスポーツ飲料等が2024年、2025年の連続減少から反転するか
  • 数量が減る中でも、生産者販売金額の増加が続くか

結論は明確です。清涼飲料水は2013年より増えていますが、2025年には減少へ転じました。そして長期成長の中心は茶系飲料であり、炭酸飲料は横ばい圏、スポーツ飲料等は縮小しています。

次の公表値で見るべきなのは、総生産量が再び増えるかだけではありません。販売金額の増加が数量の回復を伴うのか、それとも少ない量により多く支払う状態が続くのかが、生活者にとっての重要な分岐点です。

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